予防歯科

予防歯科とは、その名の通り「虫歯や歯周病といった歯のトラブルを未然に防ぐためのケア」を指します。
従来の歯科治療は、痛みや不具合が生じてから問題を解決する「治療型」が主流でした。
しかし、現代では「問題を起こさせない」ことを目的とした予防歯科が注目されています。

予防歯科では、病気が発生する前にそのリスクを減らすことを目的としています。
これにより、将来的な治療の必要性を減らし、健康な口腔環境を長く維持することが可能になります。

 

予防歯科の重要性



予防歯科は、単に虫歯や歯周病を防ぐだけではなく、全身の健康にも大きな影響を与えます。
例えば、歯周病は糖尿病や心血管疾患と関連があることが研究で明らかになっています。
また、口腔内の健康状態が悪化すると、食事が十分に楽しめなくなるだけでなく、栄養状態が悪化し、生活の質（QOL）が低下する可能性があります。
歯は一度失うと元には戻りません。
虫歯や歯周病が進行すると、最終的には抜歯が必要になることもあります。

 

予防歯科を実践することで以下のようなメリットがあります

虫歯や歯周病のリスクを軽減

歯の健康寿命を延ばす

将来的な治療費や時間の節約

口腔内の健康が全身の健康に寄与

 

虫歯や歯周病を放置した場合のリスク



虫歯や歯周病を放置すると、さまざまなリスクが生じます。
虫歯は進行すると神経にまで達し、激しい痛みを引き起こすだけでなく、最悪の場合には抜歯が必要になることもあります。
一方、歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため見過ごされがちですが、進行すると歯茎が下がり、最終的には歯が抜け落ちることがあります。

また、口腔内の細菌が血流に入り込むことで全身疾患を引き起こす可能性もあります。
このようなリスクを避けるためにも、早めの対応と予防が重要です。

 

虫歯や歯周病を放置すると以下のような深刻な問題が発生する可能性があります

虫歯の場合

痛みが激化し、日常生活に支障をきたす

歯の神経が死んでしまい、最終的には抜歯が必要になる

隣接する健康な歯にも悪影響を及ぼす




歯周病の場合

歯茎が腫れたり出血したりする

歯がぐらつき、最終的には失うことも

心疾患や糖尿病など全身疾患との関連性が指摘されている

 

セルフケアとプロフェッショナルケアの違い



毎日のブラッシングやデンタルフロスの使用といったセルフケアは、予防歯科の基本です。
しかし、それだけでは取り切れない汚れや細菌が存在します。
例えば、歯と歯の間や歯茎の周辺に付着したプラークや歯石は、自分では完全に除去することが難しいものです。
日々の歯ブラシだけで落とせる汚れは約6割と言われています。

そこで重要になるのがプロフェッショナルケアです。
プロフェッショナルケアでは、専用の器具や技術を用いてセルフケアでは届かない部分まで徹底的にクリーニングします。
この両者を組み合わせることで、より効果的に口腔内の健康を守ることができます。

セルフケアでできること

毎日の丁寧なブラッシング

フロスや歯間ブラシの使用

食生活の見直し（糖分摂取を控える）




プロフェッショナルケアでできること

歯石やプラークの徹底除去

歯茎の健康状態チェック

専門的なアドバイスによるセルフケアの質向上

 

PMTCとは



PMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）とは、歯科医院で行われる専門的なクリーニングのことです。
PMTCでは、専用の機器を使用してプラークやバイオフィルム（細菌の塊）を除去し、さらに表面を滑らかに磨き上げます。
これにより、新たな汚れが付着しにくい状態を作り出すことができます。

また、PMTCは単なるクリーニングだけでなく、虫歯や歯周病予防にも効果的です。
定期的にPMTCを受けることで、口腔内環境を清潔に保ち、トラブルを未然に防ぐことができます。

PMTCの主な効果

歯垢や歯石を除去し、口腔内を清潔に保つ

歯本来の白さを取り戻す

歯周病菌の繁殖を抑制する

 

3ヶ月に1回のメンテナンスをおすすめ



歯科医院での定期的なメンテナンスは、3ヶ月に1回程度が理想的です。
このサイクルは、多くの研究によって最適な間隔とされており、プラークが再び硬化して歯石となるまでの目安とされています。
また、この定期メンテナンスではクリーニングだけでなく、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療も可能です。
定期的な管理を行うことで、大きなトラブルを未然に防ぎ、お口の健康を長期的に維持することができます。

 

定期検診を受けよう



大切なのは定期検診を欠かさず受けることです。
定期検診では、自覚症状がない段階で問題点を発見できるため、大掛かりな治療を避けることができます。
また、専門家から適切なセルフケア方法についてアドバイスを受けることもできます。
忙しい日常生活の中でつい後回しにしてしまいがちですが、「痛くないから大丈夫」と油断せずに、定期検診をスケジュールに組み込むことが重要です。

 

定期検診で行うこと

虫歯や歯周病のチェック

歯石除去やクリーニング（PMTC）

噛み合わせや口腔内全体の健康状態確認

 



予防歯科は、「治療」ではなく「予防」に重点を置くことで、生涯にわたって健康な口腔環境を維持するための最良の手段です。
セルフケアとプロフェッショナルケアを組み合わせ、定期的なメンテナンスと検診を受ける習慣を身につけましょう。
それによって、美味しい食事や楽しい会話などの日常の喜びをいつまでも楽しむことができるでしょう。
当院では、一人ひとりに合った予防プランをご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。